技術(?)

 実は、海上でゴミを狩るのは、波があったりするのでけっこう難しかったりします。それに、獲ったゴミをカヤックで運ぶにもちょっと工夫が必要だったりします。
 でも、そういったことが、意外にカヤックの源流に近かったりします。
 まず、海を愛し、海を知ること。カヤックを漕ぐ技術の一定度の熟練が必要なことです。
 海への愛は、シーカヤックをやっている人間は誰しも持っているでしょう。
 海を知ること。これは、なかなか一朝一夕ではできません。海に出かけて行って安全に帰ってくることは大原則ですが、前日までの風や潮流の方向によって海上や岸沿いに吹き寄せられるゴミの状態は大きく変化します。逆に前日までの気象・海象からゴミの状況を予想して海へ出かけるのも面白いモノです。

 そして、とくに海上のゴミを狩るには何より見つける目を持たなければなりません。この「目」に関しては、自然観察に必要とされる、大きな視野の中で「変化と異変」を見て取る独特の感性なども必要になるわけです。海上のゴミというのは、海面に浮いているものばかりでなく海面直下に浮遊するもの(とくにビニール袋など)もかなり多く、なかなか見つけにくかったりするのです。

 漕ぐ技術も、見つけたゴミに正確に近づくためには、進む・曲がる・止まる・さがるといった基本に加えて、カヤックを横に動かしてゴミに寄ることも必要になりますし、仲間とツーリング途中、気になるゴミを獲ってから仲間に追いつくためのダッシュ力なども必要だったりします。

 どうですか?ちょっとした「狩り」ではありませんか?カヤックの源流に近いと言ったのは、こうした総合的な力が必要だからです。
 でも、やってみるとわかりますが、それほど大変な技術が必要ということではなくて、ちょっとした意識の仕方でだれでも・いつでも「ゴミ狩族」になることができるのです。

ページの上部へ